現役プロ選手に聞く《後編》：ホイール
日本を代表する名門ロードチーム、愛三工業レーシングに所属する岡本 隼 選手と渡邉 歩 選手がインタビューに応えてくれました。お二人は現在、RAW、RYOT 44を実戦テスト中で、レースやトレーニングに使用して感じた率直なインプレッションを聞かせてくれています。
＜タイヤについてお聞きした《前編》はこちらから＞
→「現役プロ選手に聞く《前編》：タイヤ」
いよいよ本題のホイールへ
どのモデルを使っていますか？
（岡本選手：以下、岡）RAWを修禅寺のチャレンジロードから使っています。JBCF広島、群馬と走りました。
（渡邉選手：以下、歩）RYOT 44をオフのトレーニングと、広島、群馬で使いました。
ファーストインプレッションをお聞かせください。
（岡）バランスが良くて優しい印象です。どの速度域でも、踏み込みに対してどのくらいの走りになるかが分かりやすいホイールだと思います。RYOT 44も乗りましたが、値段なりの差はあると感じました。
（歩）トレーニング時は冬の爆風の中で使用したのですが、横風に煽られても修正する量が少なく感じました。追い風でのスピードに乗る感覚も気持ちよかったです。
RYOTのメリットは横風でも扱いやすいという点だと感じています。実際にS社の某新型と比較してもフラれる量が少なく、扱いやすいです。
一番手前が岡本隼選手、奥の白いキャップ姿が渡邉歩選手
レースで実際に使用してみた印象は？
（岡）日本のレースは、JプロツアーもJCLも一周が短いサーキットみたいな周回コースが多いんです。ラインレースは北海道くらいしかない。あとはクリテリウム。
加速、減速を繰り返すインターバル的要素が大きいので、勾配変化やペースの変化に対してホイールの反応が自然な感じがする、優しい車輪が良いんです。
RAWはアルミニップルのおかげか、外周部が軽いので、脚にも優しく感じます。
正直、一発の踏み込みならC社の某チューブラーが最高なんです（笑）。ただ、踏みこなすにはそれなりに技量が要るというか、気持ちよく進みすぎて売り切れるんで、マネジメントが重要になってくる。RAWは良い意味で、踏みどころのマネジメントに気を使わない感じがします。
（歩）特に国内レースでは、登りの反復ばかりなので、重量がそのまま脚にダメージを与えます。まだRAWを使用していないので完全に比べることはできないのですが、RYOTはやや重量を感じ、組み合わせるタイヤによっても印象が非常に変わるので、シーズン序盤ではチーム内でも評価が分かれていたホイールでした。
広島の3段坂やレース後半でパワーの出ない状況、止まっている状態からのスタートでは、RYOT 44は実際の重量通りの感覚があります。
惰性で越えられるような登り、パワーのある状態や脚質、スピード域の高い状況なら良い性能だと思いました。
メンテナンスのしやすさを考えてRYOTは真鍮のニップルを採用しているので、ああいう状況では、ハンデになるかもしれませんね。実際に、ニップルを測ってみたら片輪で22gの差がありました。
（岡）メカニック的にはRYOTなんでしょうけど（笑）。リムが軽いRYOT 33も試してみたいですね。RAWとも、ほとんど重量変わらないので。
（歩）一般ユーザー目線だと、RYOTは外ニップル、DT240ハブでメンテナンス性が良く周りも良い。迷わずに使えるホイールで良い選択肢だと思っています。価格帯で考えればコストパフォーマンスに優れたホイールだと感じています。
PRの方向性や、やり方次第ではもっと巷でも見かけるようになると感じたホイールでした。
頑張ります！（汗）
（歩）各社増えていますが、フックレスリムをラインナップに増やして欲しいです。フックレスにすることで、外周の重量削減とタイヤとの親和、インストールをより簡単にする事ができます。現状欲しいホイールはフックレスリムで軽量。これが国内では一番の勝ち要素になると思っています。
それに加えてエアロ性能。55mmハイトならフックレスで1500gを切ると更に購買意欲をそそられます。リム内幅は25mm欲しいです。外は28でツライチもしくは30あっても良いのかもしれません。
プロのロード選手は保守的だなんて、誰が言ったんだか（笑）。貴重なご意見、ありがとうございます！
この先のレースも安全に頑張ってください。是非、マトリックスの一人勝ちを止めてやってね！
＜岡本選手が使用するRAWについて詳しくはこちら＞
→https://ffwdwheels.jp/collections/road/products/raw
＜渡邉選手が使用するRYOT 44について詳しくはこちら＞
→https://ffwdwheels.jp/collections/road/products/ryot-44-dt