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プロチーム監督に聞く:ホイールの選び方

プロチーム監督に聞く:ホイールの選び方

UCIアジアツアー、およびJプロツアーを主戦場とする愛三工業レーシングチームは、チューブレスレディのRYOTシリーズを使用しています。

33、44、55とリムハイトの異なるホイールを、レースやコース、選手の脚質、好みに合わせて選んでいますが、ホイール選びをする上で、どんなことを考えているのか、選手たちに最も近いところにいる小松 定俊 第二監督(兼メカニック)に聞いてみました。

※上の写真、左が小松 定俊 第二監督、右は水谷 壮宏 第一監督。

3種類のホイールを使い分けられるのは、プロならではの特権かもしれません。でも、選手たちがどのようにホイールを使い分けているのかを知ることで、一般のライダーが自分の乗り方に合う1セットを選び出す際にも、大いに参考になるはずです。


ルビーレッドはツアーリーダーの証

シーズン序盤から好調ぶりが伺えますが、選手たちの反応はどうですか?

今季から新しいフレーム、新しいホイールで戦っていて、フレームとの相性も良いみたいです。

ワンデイレース、クリテリウム、ステージレースと性格の異なるレースが続いているので、ホイールの使い分けを色々試している段階ですが、メインとなるホイールはそれぞれ固まってきています。

オフシーズンキャンプに間に合わなかったから、実戦でテストすることになっちゃいましたね。すみません。

選手たちは自由にホイールを使い分けているんですか?

33と44を1セットずつ、各選手専用で渡してあります。55は、アップダウンが多くて速度域的にも遅くなりがちな国内のレースでは、エアロのメリットより重量的なデメリットが大きくなっちゃうので、出番があまりないんです。

なるほど。前後で違うリムハイトを組み合わせたりしていましたね?

キャンプ中に借りていた試乗ホイールでもちょっと試していました。メリットもありますけど、犠牲になっている部分もあるはずなんで、バランスを考えると定着するのかどうか、ちょっとまだなんとも。

フロントにRYOT 33、リアにRYOT 44

フロントに44、リアに33という組み合わせもあって、珍しいなと思ったんですが?

"増田さんスタイル"ですね。

※増田さんスタイルの由来はこちら(外部サイト:シクロワイアード)→ https://www.cyclowired.jp/media/327539

前輪でエアロ、後輪で加速の軽さを取るってことですね?

見た目がねw。加速も、軽けりゃ良いってものでもないんです。踏み応えとか…軽いとスカスカに感じたりすることもあります。


《関連記事》

「異なるリムハイトを組み合わせるメリット、デメリット」
https://ffwdwheels.jp/blogs/technology/advantages-of-combining-different-rim-heights


まだ数レースですが、33を軸にしている選手と、44を軸にしている選手がいるように見えるんですが?

脚質もあると思うんですけど、フレームサイズで分かれている気もします。小柄な選手が乗るSサイズは33、Mサイズ以上は44みたいな感じです。

へぇ〜、面白いですね。体重の軽いライダーには、風の影響を受けにくくて扱いやすい33をお勧めするFFWDの考え方とも一致しているような。

ところで、前からちょっと気になっていたんですけど、ラインレースと周回レースでホイール選びが変わるって言ってたのにはどんな理由があるんですか?

※ラインレースは、スタートからゴールまで、基本的に同じところを通らないコースでのレース。周回レースは、同じコースを何周もするレース。

ラインレースは得意な地形も不得意な地形も一回ずつしか通らないから、コースレイアウトに合わせて得意を伸ばす選択、周回レースは苦手があると同じロスが積み上がるから苦手を克服する選択、みたいなことですか?

ラインレースの方が周回コースよりも低速域が少ないからだと思います。

(あれ?…)←すごい核心をついたつもりが、意外と単純な答えだった反応

どうしても日本のレースのような小さい周回コースでは、低速に落ちてからの立ち上がりが多いのでリムハイトの低いホイールの方が踏み出しが軽い分、体力を温存できたりします。

一方、リムハイトの高いホイールのデメリットである踏み出しの重さは一度転がって中速域、高速域に入ってしまえば、そのデメリットを感じることは少ないですからね。

RYOT55で走る草場啓吾選手

海外のレースは本当に真っ直ぐな事が多いですし、日本より道幅の広い道路でレースができるので日本よりレースが流れます。

今回の台湾の第2ステージは自動車専用道路のようなところを使用していましたが、30kmくらいずっと真っ直ぐで、追い風という事もあって60km/h以上で走行してました。

ろくじゅう!?

なので海外ラインレースとなると高いリムハイトを使用する選手が多くなるという訳です。

なるほど!そういうことなんですね。速そうだなぁとは思っていましたが、中継の画面からは、そこまでのスピードが出ているのは分かりませんでした。

そうなると55もありなんですか?

平坦区間だけならそうなんですが、レースの勝負所は後半の登りだったので。その日は登坂力のある石上 優大 選手で行く予定で、その石上は44を履いていました。

時速60キロの平坦路から山頂ゴールまで…まさにオールラウンドホイールですね。
めっちゃ良い話。それ、いただきます!


《オールラウンドなRYOT 44など、RYOTシリーズが気になったらこちら》
→https://ffwdwheels.jp/collections/ryot

《愛三工業レーシングチームとのサプライヤー契約についてはこちら》
→https://ffwdwheels.jp/blogs/news/officially-supporting-aisan-racing-team