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現役プロ選手に聞く:ホイール

現役プロ選手に聞く:ホイール

日頃、FFWDホイールで戦っている愛三工業レーシングチーム所属選手たちへのインタビュー。今回は、チーム最年長の渡邊 翔太郎 選手と若手3人(初川 弘浩 選手、北嶋 桂大 選手、加藤 辰之介 選手)にホイールの印象などを語っていただきました。

初川選手(以下、コーヒロ)は研修生を経て今年から正規のメンバー入り。北嶋選手(以下、キタシー)と加藤選手(以下、しんのすけ)は現役大学生で、チーム研修生として在籍しています。

狙い通り、世代間ギャップも垣間見えるインタビューとなりました。

※ 機材選びに関しては、まだ普通のユーザーに近い感覚を持っている若手選手のご意見を聞いたので、今回は読者の皆様も参考にしやすいよう、あえて他社製品も名前を伏せずに記載しています(正式な商品名ではないかもしれませんが、ご容赦ください)。
トレーニング合宿の合間にオンラインでインタビューを決行
左から初川弘浩、北嶋桂大、渡邊翔太郎、加藤辰之介( 敬称略 上の写真:愛三工業レーシングチーム 渡邉歩)

まずは、プロ歴というか、機材供給を受けるようなチームに入って何年目になりますか? 翔太郎さんが一番長いと思うんだけど…

【翔太郎】そうですね。大学卒業してすぐ愛三に入ったんで…う〜ん、7年目ですかね?

【しんのすけ】機材供給を受けるのは今年が初めてです。(昨年まで所属の)イナーメではウェアとかは供給してもらってましたが、自転車に関しては各々好みで選んで使ってました。

最近は大学生とかでもサプライヤーがついてる選手がいるって聞いたけど…

【コーヒロ】サイコンやヘルメット、アイウェアなどは提供していただいてましたが、車体関係は愛三に入ってからです。

日大は?

【キタシー】フレームは部で買ったものを貸してもらってましたが、それ以外は自前のを使ってました。

へぇ〜、なんかちょっと安心した。お金は掛かるから大変かもしれないけど、好きな機材が選べるってことだもんね。

ホイールの好み

ホイールに関しては、好みとかありますか?
今まで使ってたので良かったやつとか。

【しんのすけ】自分は軽量なホイールが好きで、去年はデュラエースのC36を愛用してました。今年はRYOT 33を中心に使っています。今までもC36以外に、メーカーは違ったんですけど45mmハイトのやつとディープリムのも持っていて使い分けてはいたんですけど、結局その36mmのが良くて最終的にはどんなコースもそのホイールで走ってました。

【翔太郎】自分はあまり軽量なホイールというのは好きじゃなくて…リムハイトもあまり低いのが好きじゃなくて…今も44を使ってますし、そのあたりが好きですね。リムブレーキの頃のデュラC35は好きでしたけど。
RYOTは33、44と使ってみて44の方が進むな、と思って。44はリムハイト高いんですけど…で、平坦はもちろん速くて…でも登りも進んでくれるんで44を使ってます。
フレームサイズとの相性もあって、Sサイズには44が合う気がします。

確かに翔太郎さんはコースに合わせて変えたりもしてなくて、一貫して44だね。

キタシーはどうですか?

【キタシー】僕はハイトが高くてスポークも張ってるかためのホイールが好きです。重くなってもかたい方が良いかなっていうのはありますね。
そんなにいろんなホイールを使ったことはないんですけど、カンパのボーラワン?かウルトラ?…リムブレーキの…とかはあんまりしっくりこなくて、アルミの(フルクラム)レーシングゼロが使ってきた中では登りでも平坦でも、安定して速かったです。

体格的にもチームで一番身長高いし、パワーもそれなりにあるだろうから、かたさに敏感なのかもね。今までインタビューに協力してもらった他の選手たちは全員、リムブレーキのボーラウルトラ大絶賛だったからちょっと意外w

RYOTはどうですか?

【キタシー】そうですね…33と44を使ったんですけど、RYOT 44は、スピード乗っけるまでの加速はちょっと時間がかかる気はしますが、スピードに乗ってしまえばそのまま行ってくれるんで、自分の脚質的には最初だけちょっと行けば、あとは伸びてくれるかなって感じです。33よりも44の方が伸びは良いですね。
RYOT 33は縦剛性なのか横剛性なのか、ダンシングよりもシッティングで漕いだ方が進むイメージです。最近のレースでは33を多く使ったんですけど、やっぱりシッティングの方が伸びる印象です。あと、脚に優しい感じです。

なるほどね〜。リムの縦剛性の差もあるし、33は44よりもスポークが長いこともあるから全体的な剛性の違いとか、脚への優しさみたいなのを感じるんだろうね。


ホイールのかたさ(剛性)について詳しくはコチラ
→ https://ffwdwheels.jp/blogs/technology/all-about-wheel-stiffness


コーヒロさんはどうですか?

【コーヒロ】自分はコースの地形に合わせて変えるって感じで、去年まではロヴァールのアルピニストとDT ARCの62mmを持ってて、登りがメインの時はロヴァール、アップダウンがある時は後輪をロヴァールにして前輪をDT Swissの62mmにしたりしてました。

前を高くして、後ろを低く?

【コーヒロ】そうですね。登りは後輪を軽くした方が登れるし、下り・平坦はリムハイトを活かしたいっていうので。

なるほど。


前後に異なるリムハイトを組み合わせることについて深掘りした記事はコチラ
→ https://ffwdwheels.jp/blogs/technology/advantages-of-combining-different-rim-heights


【コーヒロ】で、平坦は前後62で走るのが好きで。クリテでは理想的かなぁと思ってます。

RYOTの55を積極的に使ってくれてるけど、どう?
FFWDのホイールは正直、他のメーカーと比べるとカタログスペック的に "超軽量" って部類ではないと思うんだけど、立ち上がりとかで重さは気にならない?

【コーヒロ】RYOT 55に関してはそこまでは…55mmのハイトにしては重たくないかなっていう印象です。それよりも "伸び" が欲しいんで。自分はFFWDの中では55が一番好きですね。

(ホッ)

【コーヒロ】逆に33はハイトにしてはちょっと重たいなって感じてるんで…

(お、オウ)

【コーヒロ】 まあそういう意味でも55の空力を取りたいかなって。自分は特に軽量でパワーがないんで時速50kmを超えてくるとかなりキツくて、もうリムハイトに頼るしかないっていうタイプなんで。

へぇ〜、面白いね。パワーがあるから多少重たいホイールでもガンガン踏んでいけるぜ!っていう使い方をするイメージだったんだけど…

【コーヒロ】やっぱり重量以上に、空力の恩恵を得たいがために55を選んでます。ハイトに対して重量のパフォーマンスは良いし、空力もDT Swissの62mmに対してそんなに遜色ないですし。
違いがあるのは "かかり" ですかね。自分のスタイルは、結構バイクを振るっていう感じのスプリントなんで、62とかアルピニストはスパスパスパっといく感覚があったんですけど、RYOT 55はどっちかっていうとバイクを振らずにしっかり力を与えていく…グゥ〜グゥ〜グゥ〜みたいなスプリントだと活きるのかなと思います。
今は最後に自分でゴールスプリントをするというより、アシストで長く速く…スパッと上げすぎないように走らなきゃいけないんで、そのスタイルには合ってると思います。
この間の群馬の60kmのレース(東日本ロードクラシックDay2)も44じゃなくて55にすれば良かったと後悔したんです。あのくらいの登りだったら全然55mm使えるなって。
これが20万円代前半から買えるんだったらコスパも良いかなと思います。

いいね〜。(営業的に良いコメントが取れて満足)

軽さでRYOT 33を選んでいる辰之介さん的にはどうですか? 確かに軽さだけで言えば上はいくらでもあるけど…

【しんのすけ】33はリムの外幅も現代的というか、広さがあって、空力も全然悪くはないと思いますし、横風に振られたりとかもなかったんで、どんなコースでもいけるなぁという気持ちで33を使ってます。

(これもいいね〜)

【しんのすけ44はまだ使ったことがないんですけど、フレームはSサイズなんで、合うって聞いたから、ちょっと試してみたいです。

タイヤについて

ところで決戦用ホイールは、みんなチューブレスで使ってると思うんだけど、チューブレスはいつから使い始めましたか?

【翔太郎】チームでは3年前のシーズン途中からでした。その前はチューブラーで。

【キタシー】初めてです。

【コーヒロ】自分は2年前からです。

【しんのすけ】去年初めて使って、クリンチャーとチューブレスを気分に合わせて使い分けてました。

ちなみに、チューブラーはみんな使ってたことある?

【キタシー】あ、はい。去年まで。

【コーヒロ】チューブラーは5年前に使ったのが最後ですね。

【しんのすけ】ないです。チューブラーは使ったことがなくて…

おっ!ついに!世代かな〜w

チューブラーとかクリンチャーからチューブレスに移行するときに、(気持ち的な)抵抗はなかったですか?

【翔太郎】特に抵抗はなかったですね、やっぱり空気圧も下げられるんで。タイヤの幅も28なんで、自分は。

あ、そうなの?

【翔太郎】はい、なので本当に空気圧も下げて、尚且つ28なんでコーナーとかも…そうですね、攻めれるって言ったらおかしいですね…そんなに自分は攻めはしないですけどw……安心感があるっていうか。

28幅のタイヤは翔太郎さんだけ?

【翔太郎】あと、西尾(西尾 憲人 選手)が使ってます。

へぇ〜。

ちょっと前までは「空気圧は高い方が良い」って、特にチューブラー世代はカンカンに入れてる選手も多かったけど、「空気圧が下げられるのがメリット」っていう考えはスッと入ってくるものなの?
ちなみに今はどのくらいなんだろう、5〜6気圧?

【コーヒロ】自分は4.0ですね。

お〜!攻めてるね。下げるのは気にならない? 

【コーヒロ】抵抗はなかったですね。空気圧低い方が速いっていうのは、もう明らかだと思うんで。遅いとは感じてないし、コーナーも安心できるし…4.0がベストかなと。

チーム内でもだいぶ低い方だよね。

【コーヒロ】ダントツ低いですね。

キタシーは?

キタシー】正直、まだチューブレスの感覚が掴めてなくて。チューブラーとクリンチャーしか使ったことがなかったんで、何が自分に良いのかも分かってないです。だいたいで…25で6.5ぐらいにしてます。一回だけ28を使って、5.5にしたんですけど、安心感もあって。チューブレスタイヤって全く空気圧も違うなぁと…低くても大丈夫なんだって、知識が増えましたw

辰之介さんはどのくらいで乗ってる?

【しんのすけ】決戦用は25を5.0〜5.5ぐらいで使ってて、練習輪のほうは28を4.5ぐらいで使ってます。低圧で使うことに対しては初めての時もまあ、そこまで抵抗はなくて……元々クリンチャーでも25幅で5.5ぐらいで使ってたんで、ほんと抵抗なく使えました。

なるほどね〜。時代とか環境で触れる情報にも違いがあるから、知識とか、常識とか、捉え方もだいぶ変わってきてるんだろうね。

7〜8気圧を常用していた世代はワイドタイヤ&チューブレスに移行する時に、騙し騙し下げていく方向だから、どこかでビビって下げ切れない人も多いけど、低圧ネイティブ世代にとっては、低いところを探るのは冒険じゃないってことなのかもね。

【コーヒロ】ホイール側から推奨する空気圧とかはあるんですか? このリム幅にはこのくらい、とか。

スルドイねw

FFWDとしては無いんだけど、SRAM(ZIPPホイール)とかSILCA(ポンプが有名)はリム幅、タイヤ幅、総重量、路面コンディションなんかを入力すると推奨空気圧が出てくるウェブアプリがあるよね。 それぞれ入力項目が微妙に違ったり、出てくる結果も前後のメリハリに差があったりするけど、初めてチューブレスをセッティングするときにはとても参考になると思う。


気になったら"tire pressure calculator"で検索!


今回はここまで。

選手たちとの会話には、感覚的な部分も理詰めの部分も含めて、毎回、新たな発見があるように感じます。

ホイールのインプレに関しては、言い回しこそ違えど、感じていること自体は選手間に共通する部分も多いので、皆様のホイール選びにおいても大いに参考になるのではないでしょうか。


 《過去の選手インタビューはこちら

現役プロ選手に聞く《前編》:タイヤ(feat. 岡本隼、渡邉歩)
https://ffwdwheels.jp/blogs/hero/ask-the-pros-1

現役プロ選手に聞く《後編》:ホイール (feat. 岡本隼、渡邉歩)
https://ffwdwheels.jp/blogs/hero/ask-the-pros-2

プロチーム監督に聞く:ヒルクライム直前対策 (feat. 別府匠)
https://ffwdwheels.jp/blogs/hero/ask-the-pros-3

プロチーム監督に聞く:ホイールの選び方 (feat. 小松定俊)
https://ffwdwheels.jp/blogs/hero/ask-the-pros-4

現役プロ選手に聞く:ホイール・タイヤ (feat. 石上優大)
https://ffwdwheels.jp/blogs/hero/ask-the-pros-5

異なるリムハイトを組み合わせるメリット、デメリット (feat. 西尾憲人、當原隼人、草場啓吾、岡本隼)
https://ffwdwheels.jp/blogs/technology/advantages-of-combining-different-rim-heights

RYOT(ライオット)コレクションページはこちら

https://ffwdwheels.jp/collections/ryot