車輪を止めるな!〜FFWD 創業15周年〜
※この記事はFFWD本国サイトに掲載された記事を翻訳、加筆、修正したものです。
あっという間の15年
15年に渡り、日々止まることなく"車輪の再発明"に挑んできました。ファストフォワードは、自分たちが自転車を楽しむのと同じくらい、周りの自転車乗りにも楽しんでもらうことに喜びを感じる、ちょっと世話焼きな自転車愛好家の集まりです。自転車愛にあふれているとも言えますが、むしろ感染力の強い自転車病に侵されていると言ったほうがしっくりくるような。
#15yearsFFWD
ことのはじまり
優れたブランドの多くと同じく、このサクセスストーリーもまた一人の男のアイディア、ビジョン、そして何より情熱で始まります。ファストフォワードの創業者、ヘンク・シッパーは長年アマチュアとして自転車競技に打ち込み、やがて自転車業界へ就職します。いつしか市場が求めるものを、自らが創り出すチャンスを窺うようになっていました。2006年、それは現実となります。Fast Forward Wheels(略してFFWD)を登記し、ロゴをデザインして、会社が正式にスタートしました。 当初はトライアスロン、タイムトライアル市場にディスクホイールを売り込む作戦でしたが、すぐに50mmリムハイトのカーボン製ロードホイールの開発にも着手します…やがて来るカーボンディープリム時代を予見するかのように。本格的に販売を始めるまでの2006年から2008年の期間は、主に製品テストに費やしました。

FFWD創業者 Henk Schipper
2008年の販売開始時点ではロード、トラック、トライアスロンなどの競技用ホイールを幅広くラインナップしていました。共に製品を広めてくれるディストリビューターを探し、ヨーロッパ各地に販路を拡大。その後、数年でアジア、アメリカでもパートナーを見つけ、FFWDのネットワークは急速に拡大しました。
飛躍
2010年、FFWDがより広くファンを獲得し世界的に知られるきっかけとなる、最大の転機が訪れます。トム・ボーネン、ワウテル・ウェイラント、シルヴァン・シャヴァネルらスター選手を擁するチーム・クイックステップのスポンサーとして選手の活躍をサポートしたのです。その後は、同じくワールドツアーチームのヴァカンソレイユ-DCMをサポートしました。
スポンサー契約は、ブランド露出と認知に欠かせない重要なマーケティング活動でしたが、同時に製品に対する数多くのフィードバックを得られるまたとないチャンスとなり、既存製品の改善、新製品の開発に大きなプラスとなりました。



ロードレースに限らず、トラックやトライアスロンにおいてもチームや個人アスリートとの協働は、常に我々の重要な戦略の一つです。トップアスリートのサポートはもちろん、才能ある若者をトップへと導くことにも注力してきました。この代表例がオランダのコンチネンタルチーム、Metecとのコラボレーションです。2021年、このチームは10年連続でFFWDのホイールを駆ることになります。他にもベルギーのSport Vlaanderen-BaloiseやオランダのトライアスロンチームTeam4Talentをサポートしています。ジョリーン・ドール、キルステン・ウィルト、ジェフリー・ホーフランド、パスカル・アッカーマン、ニルス・ポリッツのような名選手が、FFWDと成長を共にしたことを誇りに思います。
ホイールづくりの名人
より良い製品を追求し、市場が求める新製品を世に送り出し、時に遊び心あるトレンドカラーを取り入れたりするのは設立当初からの伝統です。ロードだけでなく、トラックやトライアスロンにも幅広いラインナップを持ち、近年ではMTBやグラベルにも挑戦しています。
ホイール専業メーカーとして、開発と製造に全集中する我々としては、だてにマスターホイールビルダーを名乗るわけではありません。累計150,000本以上のホイールを組んできた経験に裏打ちされて、職人芸と自負する現在の技を獲得しています。


ホイールの性能は日進月歩で変化していますが、大切にしている基本的な価値は変わりません。当初よりFFWDではDT Swiss製ハブのような、性能に定評があり、信頼のおけるコンポーネントを採用してきました。カーボンリムも構造やブレーキ面を絶えず見直しながら開発を続けています。市場の成熟に追従することでワイドタイヤ、ワイドリム、デイスクブレーキやグラベルといったトレンドにもいち早く対応し、変化するニーズに応える製品を提案し続けています。


ホイールづくりの基本は意外とシンプルです。でも、最高の製品を創り出すには深い探究心と献身的な努力が求められます。ホイールの開発、製造では、重量、剛性、エアロ性能、耐久性のバランスが重要です。どれか一つの性能を突出させること自体は、他の犠牲を厭わなければ難しくありませんが、全ての性能をバランス良く盛り込むのにはコツが要ります。我々のホイール哲学において、重量は必ずしも最優先事項ではありません。プロの一部を除き、サイクリストの多くにとって、数グラムの軽量化が大きな差をもたらすとは考えにくいからです。むしろ、道具として信頼できることの方が重要で、まさにこれがFFWDが求めていることなのです。やり過ぎなほど時間をかけて組み上げるのは、お客様が自信を持って存分に力を発揮できるようにするためです。
アフターサービスへの注力
どんなものでも使っていれば、お手入れが必要になります。我々自身も熱心なサイクリストなので、ホイールが使えない期間が長くなると困るのは誰よりも理解しています。FFWDでは、できるだけ乗れない期間を短縮できるよう万全のアフターサービス態勢を整えています。
また、サービスの一環としてお問い合わせにも積極的に対応しています。新規購入の相談や、スペアパーツに関する質問など、どんなことでもスタッフが親身にお応えします。15年前の創業時から続く迅速丁寧なサービスは、これからも変わることなくFFWDの伝統として受け継がれていきます。

FFWD本社サービス部門のGoogleレビュースコア
デザインのこだわり
創業時より、FFWDのロゴは目立つ書体と人気の高いカラーで、見る人の目を惹き付けてきました。様々なスペシャルカラーやデザインにも取り組んでいます。
現在では定番となった黒いリムに黒いロゴという組み合わせも、2012年の発表当時にはとても斬新なものでした。500セットの数量限定モデルして展開を始めたものの、予想をはるかに上回る反響で、現在まで続くデザインの礎となります。スポンサーをしていたチーム・ヴァカンソレイユ-DCMが、Bianchi(ビアンキ)のサポートを受けていたこともあり、ブランドを象徴する有名なチェレステカラーでチーム用ホイールを製作したこともあります。これはビアンキユーザーに大変な人気となり、チームのスポンサー契約が終了してからも、しばらくはラインナップに定着しました。

初代のロゴを採用してから10年以上が経過し、そろそろ新しい時代の息吹を感じられるロゴが求められる頃だと判断します。2019年、全てのモデルに新たなスタイルを適用し、2020年には、新しいリム形状を採用した全く新しいモデルの登場に合わせ、ハニカムパターンを纏ったロゴへとさらに進化します。リム形状、製品名、ロゴデザインの全てを刷新し、FFWDのラインナップは次の高みを目指します。

ここ数年で、大きな変更をいくつも成し遂げましたが、当然これで終わりではありません!ホイールにとって見た目は重要なポイントで、将来においてもデザインの重要性は変わることなく優先事項の一つとして取り組んでいくことになるでしょう。
この先は?
車輪の発明は遥か昔のことですが、我々は毎日、新たな改善策の発見に情熱を燃やし、多くの人々がこの素晴らしいスポーツに触れる喜びを享受できるよう努力を重ねています。この15年、絶えず注がれてきたホイール愛は、どうやらこの先も変わることはなさそうです。世界が回り続けるなか、我々も車輪を回し続けることをお約束します。
...で?何するの?
ラインナップがアップデートされたばかりとはいえ、机に足を載せてふんぞり返っているわけではありません。オフロードの選択肢も充実させたいし、今ある"最高"のさらに上も見てみたい…ワールドツアーにも返り咲きたい…まだ世界地図に空白がある…このコミュニティーを大きくしたい…やりたいことは尽きません!

TeamFFWDは未来へ向けて発進します!