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本物のエアロ効果とは?

本物のエアロ効果とは?

FFWDの本社があるオランダは「風車と一面に咲くチューリップ」のイメージが強いと思いますが、世界的には平らな地形と風の強さと雨の多さで知られています。そう聞くとあまり魅力的な感じがしませんが、実は、カーボンホイールを過酷にテストするには最高の環境なのです。

FFWDのラインナップが誇る強度、耐久性、パフォーマンスは様々な要素が折り重なって実現します。その中でも、まずはじめに追求するのがエアロダイナミクスとリムデザインです。FFWDのエンジニアたちは、ライダーが実際に走っている時に経験する風の状況を理解し、空力やホイール全般のパフォーマンス目標を設定します。

空気抵抗を軽減するリムの設計は、膨大な基礎研究と、様々なリム形状のコンピューター解析と、プロトタイプの風洞実験を重ねて最適解を導き出します。でも、実走環境においてライダーが直面する風の状況を知らなければ、どの答えが正しいのか判断がつきません。FFWDでは、いち早くこの分野の研究に着手し、導き出された仮説に基づいてDARC™テクノロジー*リムを生み出しました。その仮説とは、「実際にライダーが経験するヨー角**は、多くの競合メーカーが風洞実験室でしのぎを削る10〜20°のレンジより下に集中しやすい」というものです。後年、DARC™テクノロジーの根拠となった仮説を支持する研究***も多く見られるようになりました。

*DARC™テクノロジーは、負圧セクションを設けることで気流を引き寄せ、加速させるFFWD独自のリム断面形状です。空気抵抗を抑えると同時に横風の中でも安定性を発揮する空力パフォーマンスが特徴です。かつてのF4、F6、F9、TYROに採用されています。
**ヨー角とは、前進することで自らが起こす風と、自然の風を合成した正味の風向きのこと。正面を0°とする。
***2015年にCatalyst Cycling LLCが発表した論文”The Mathematical Model of Yaw Angle Distributions For Bicycle Wheels”(Zach McCormick, Nick McCormick, Justin Clarck)によればヨー角0〜10°は10〜20°や20〜30°のレンジより常に多く出現すると記されています。

乗車中、ヨー角0〜10°の風を受けている時間は、乗車時間全体の70%以上にのぼります…どんなコースでも。例えば、海岸線に吹き付ける横風で悪名高いハワイ州コナのIronMan™ コースですら、バイクパートの72.1%を10°未満のヨー角で過ごしているというデータが、前述のCatalyst論文に紹介されました。

他にも、いくつかのバイクメーカーやホイールメーカーが同様のデータ収集を行い、一貫して同じ傾向のデータを得ています。ただ、各社が導く結論には差があります。FFWDは、乗車時間の7割以上を有利に走れることこそが、勝利の方程式だと捉え、0〜10°のヨー角を重視しています。一方、時折訪れる本当にきつい場面で有利になることを目指すメーカーもあり、ヨー角15°付近は特に、開発とマーケティングの激戦区となっています。

エアロ性能に関して「〇〇に比べXX%速い」のような表記や、競合ホイールを比較する折れ線グラフを目にしたら、ちょっと深読みしてみてください。