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SynergySix(シナジーシックス)

SynergySix(シナジーシックス)

FFWDでは、ホイールの性能を明確にし、商品選びを容易にするために、独自のSynergySix(シナジーシックス)という評価システムを用いています。

一見すると、どこにでもありそうなレーダーチャートですが、いたずらに製品を良く見せるためのマーケティングツールではありません。お客様一人ひとりが、FFWDラインナップの中から自分にピッタリのホイールを見つけられるよう、モデルごとの違いを明確にし、特徴を分かりやすい差で表現しています。

チャートの情報を正しく理解するために、読み方と各指標が持つ意味について詳しく解説していきます。

一般的なレーダーチャートでは、各項目のスコアを結んでできる多角形の面積が大きく、形が正多角形に近いほど優れていることを示します。ところが、シナジーシックスは必ずしもそうではありません。同じホイールでも、良し悪しの基準は使う人や環境によって異なるからです。また、シナジーシックスでは全ての項目において満点というホイールは存在しません。評価するそれぞれの指標が互いに相反したり、補完しあったりする関係にあるからです。

シナジーシックスを読む上で大切なのは「自分にとって重要な指標はどれなのか?」を知ること。一つずつ見ていきましょう。

Stiffness(剛性)

剛性とは「(力を抜けば元に戻る範囲で)どれだけ変形しにくいか」を表す指標で、簡単にいえば「かたさ」のことです。シナジーシックスにおける剛性は、車輪の横剛性を測定したものをベースにスコア化しています。剛性が高いホイールは、よれにくいのでパワーロスが少なく、ハンドリングも良くなります。

ホイールの剛性を決めるのは、リム素材、リム形状、スポーク長、スポークの種類、ハブのフランジ幅、フランジ径、左右ベアリング間の距離、軸の太さなど多岐に渡ります。そのため、剛性を上げようとすると、他の指標にも影響を及ぼし始めます。

リムハイトを高くする場合を例にとると、リム自体の剛性は上がりますが、軽量性は下がります。リム内径が小さくなる分スポークは短くなるので、剛性は上がり、軽量性もわずかですが上がります。エアロ性能が上がる一方、汎用性と敏捷性は下がってしまいます。

Aero Performance(エアロ性能)

エアロ性能とは 「空気抵抗の低さ」を表す指標で、今やホイールだけでなく、自転車本体、ヘルメット、ウェアなどに至るまで、エアロ抜きには語れないほど重要視されています。それは無風の時ですら、平坦路で出している力の約8割が空気抵抗に打ち勝つためだけに使われている、という事実があるからです。とりわけホイールは自転車の一番先端に位置し、真っ先に風を受けることから、エアロ性能の効果が大きく現れます。

空気抵抗を抑えれば、同じパワーでもより速く走ることができるため、レースには欠かせない性能の一つですが、同じスピードならより楽に走れることも意味するため、ロングライドにゆとりが欲しい人にも注目して欲しい性能です。

エアロ性能を追求すると軽量性と敏捷性のスコアは下がっていきます。例えばRYOT 55では、瞬発的な加速性よりもスピードの維持や体力の温存に長けていることが分かります。汎用性のスコアも加えて総合的に見ると、ハイスピードで巡航する平坦路、一定出力を出し続けるロングライドやトライアスロンでは抜群の性能を誇る一方、得意分野はやや絞られると読み取れます。

Durability(耐久性)

耐久性は「どれだけ丈夫で長持ちするか」を表す指標です。ホイールの耐久性を決める要因は多岐に渡りますが、シナジーシックスでは特にハブの耐久性を基準に評価し、その他に際立つ特徴がある場合はさらにプラスで加味します。ベースとしては、ベアリング素材やラチェット機構の違いから、FFWDハブ→DT350→DT240→DT180の順に1段回ずつスコアが上がります。

実際の耐久性を測定する量的な指標ではないので、スコアが半分でも耐久性が半分ということではありません。

ハブの違いは、軽量性と価格には少なからず影響します。もともと「丈夫で長持ち」には定評あるFFWDなので、商品選びの基準としては軽量性や価格とのバランスを考慮してください。

Agility(敏捷性)

びんしょう性なんて、体力テストでやった反復横跳び以来、使った記憶がないような言葉ですが、自転車向きの言葉に置き換えると「ハンドリングとレスポンス」になるでしょうか。進路を変更するためにバイクを傾けたり、加速のために踏み込む時に「どれだけ素早く入力に反応するか」を表す指標です。キビキビとした走りを楽しみたいライダーには重視してほしい性能です。

敏捷性を決めるのは、主に剛性と軽量性です。特にホイール外周部の軽さが重要で、リムハイトは低いほうが有利になるため、エアロ性能とはトレードオフ関係(一方を立てれば他方が立たずの関係)になりがちです。また、リム重量の差が剛性の差以上に大きく影響を及ぼすため、剛性がアップしていてもエアロ性能の向上が見られる場合には、敏捷性は低く評価される傾向にあります。

Lightweight(軽量性)

軽量性は文字通り「ホイールの軽さ」を示す指標です。恩恵を体感しやすい性能でもあるため、ホイール選びでは一番気になるポイントですが、他の性能を伸ばすときには必ずと言って良いほど影響を受けるので、バランスが重要です。

登り坂では重力に逆らって走るので、持った時の軽量性がそのまま走った時の軽さにつながります。また、常に失速させようとする力に対抗しているため、一定の速度で登っている時でも、平坦路での加速と同じような状況になり、軽量性とともに敏捷性が高いホイールが有利となります。速度域が低くなるほど、エアロ性能の恩恵は小さくなるので、激坂に挑むならロープロファイルの軽量ホイールがベストということになります。

一方、重さが有利に働く場面もあります。リム重量のあるホイールは、一旦スピードに乗ってしまえば多少のアップダウンがあっても勢いを失いにくいため、優れた巡航性能を備えています。ゼロ発進での素早い加速はあまり得意ではありませんが、高い速度域からの再加速では、力任せに踏んでもグングンと勢いが増していくのを感じられるでしょう。

Versatility(汎用性)

 汎用性は「様々な状況や用途に合わせて柔軟に対応できる性能」を表す指標で、オールラウンド性と言い換えても差し支えありません。自己記録やライバルに対してアドバンテージを持つために、本来は挑むコースや得手不得手に合わせてホイールを使い分けるのがセオリーです。でも「厳しい峠越えと長い平坦、どちらも重要」となると、コースの途中で乗り換えるわけにもいかないため、オールラウンド性に優れたホイールがトータルでは有利、ということもしばしば。また、ホビーライダーにとって、何セットも所有するのはハードルが高いため、1セットで何でもこなせるホイールが欲しい!というときにも汎用性が高いホイールがお勧めです。

汎用性は直接測定できる指標ではありません。比較するためのスコアリングなので一定の基準はありますが、主観的な意見も多分に含まれています。例えばチューブレスレディはチューブラーよりも汎用性が高く評価されています。タイヤ交換が比較的容易で、用途に合わせてタイヤを入れ替えやすいことや、パンクリスクが低く、いざという時にも対処しやすいこと、通常のクリンチャー仕様にもでき、タイヤセッティングの選択肢が多いことなど、「使い勝手」も重視しているからです。

科学的なアプローチだけでなく、人間臭い感覚までスコア化してしまうのは、自転車乗りならではの発想。汎用性が高いホイールは、日常の使い勝手も良いと思って間違いないでしょう。

 

いかがでしたか?なかなかの情報量になったので消化に時間がかかりそうですが、少しでも皆様のホイール選びの参考になれば幸いです。

余談になりますが、最近のFFWDホイールは、ロゴデザインにもシナジーシックスをモチーフにした六角形が散りばめられているんですよ!

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